• 夜の散歩が不安障害のつらさをじんわり癒す こころにやさしいコミックエッセイ『夜さんぽ』

    2017年08月15日
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    日販 ほんのひきだし編集部 芝原
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    不安障害に悩む著者が“夜さんぽ”で元気を取り戻していく、じんわり優しい夜の物語

    過剰な不安や恐怖によって、生活にさまざまな支障をきたしてしまう「不安障害」。

    2017年7月に発売された『夜さんぽ』は、この不安障害に悩む著者・木村いこさんが、症状改善のために始めた“夜の散歩”を通して、少しずつ元気を取り戻していく自身の姿を描いたコミックエッセイです。

    すべて鉛筆で描かれていることで伝わってくる木村さんの心細さや、作品全体を包むじんわりとした優しさ。この夜の物語は発売以来、不安を抱える多くの人から共感を集めてきました。

    今回は作品の担当編集である「月刊COMICリュウ」の猪飼幹太さんに、『夜さんぽ』が出版された経緯や、作品に対する思いなどを綴っていただきました。

    夜さんぽ
    著者:木村いこ
    発売日:2017年07月
    発行所:徳間書店
    価格:670円(税込)
    ISBNコード:9784199505782

     

    「この物語を必要とする人たちが絶対にいる」

    きっかけは2年前の2015年。
    著者の木村いこさんが出した同人誌(コピー誌)でした。
    そこには「不安障害に悩む著者が夜散歩を始めて、少しずつ元気を取り戻していく」という、コミックス『夜さんぽ』に描かれているそのまんまのエピソードが、しかし漫画ではなくイラストエッセイとして描かれていました。

    ぼくは2007年から木村いこさんの担当をさせていただいて(最初は同人誌イベント会場でカラーイラストに一目惚れして声をかけさせていただきました)、2012年に『たまごかけごはん』、2013年に『いこまん』と2冊のコミックスを出させてもらいました。

    しかし2015年当時、木村さんは漫画とは少し距離をとって、イラストレーターとして活躍の場を広げていました。
    体調を崩しているという話も聞いていましたが、具体的なことまでは知りませんでした。

    同人誌を読んで、その頃の木村さんがどんな風に苦しみ、どんな風に立ち直ろうとしていたのか、すべてが「風景」となって、ぼくの中にすーっと入ってくるのを感じました。
    人のいない静かな夜の町。
    街灯。
    水路。
    100円自販機。
    コンビニ。
    小さな食堂。
    そして巨大な空地。

    感情が胸に満ちていきました。
    それは救いであり、癒しでもありました。

    「この物語を必要とする人たちが絶対にいる」
    直感的にそう思いました。
    何よりぼく自身が、この物語を必要としていました。
    夜の町の静けさを、巨大な空地の開放感を、ぼくの心は切実に必要としていました。

    気づいたら、木村さんにメールしていました。
    「漫画として連載しませんか?」と。

    2年後の今年。
    コミックスが発売され、ありがたいことにたくさんの方に手にとっていただきました。
    感想の声もたくさんいただき、現役医師の方に「不安障害から回復する物語」として絶賛していただくという嬉しすぎる反応もいただきました。
    「届いた」
    と思いました。

    たったひとり漫画家さんの心のなかにあった想いが、作品となって、何万人もの心に共有されていく。
    漫画家さんにとっても、ついでに漫画編集者にとっても、何より嬉しい、幸せなことです。
    『夜さんぽ』は、そんな幸せな作品になりました。
    本当にありがたいことです。
    もっともっと、たくさんの人に届くとうれしいな、そう思っています。

    (文・徳間書店 月刊COMICリュウ編集部 猪飼幹太)

     

    〉『夜さんぽ』の作品紹介・試し読みはこちら

    夜さんぽ
    著者:木村いこ
    発売日:2017年07月
    発行所:徳間書店
    価格:670円(税込)
    ISBNコード:9784199505782

    ©木村いこ/徳間書店

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