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    「太一と航平のあのシーンを描きたくて………」実写映画公開中『ひだまりが聴こえる』誕生秘話(文乃ゆきさんインタビュー)

    2017年07月06日
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    ほんのひきだし編集部 浅野
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    現在公開中の映画『ひだまりが聴こえる』。多和田秀弥さん、小野寺晃良さん、三津谷亮さんなど注目の若手俳優が出演していることでも話題の本作ですが、映画化をきっかけにして、原作も「心が温かくなる優しくて淡い作品」「涙が止まらない」と反響を呼んでいます。

    今回はそんな『ひだまりが聴こえる』について、原作者の文乃ゆきさんにメールインタビューでお話を伺いました。

    文乃ゆき@fuminoyuki
    漫画家。『ひだまりが聴こえる』で商業デビューし、2014年に『ひだまりが聴こえる』、2016年に『ひだまりが聴こえる-幸福論-』が刊行。『ひだまりが聴こえる』は「全国書店員が選んだおすすめBLコミック2017」第2位を獲得した。現在は「Canna」(プランタン出版)にて、新章『ひだまりが聴こえる-リミット-』を連載中。
    http://yuki.8mm.hiho.jp/

    ひだまりが聴こえる
    著者:文乃ゆき
    発売日:2014年11月
    発行所:プランタン出版
    価格:724円(税込)
    ISBNコード:9784829685617
    ひだまりが聴こえるー幸福論ー
    著者:文乃ゆき
    発売日:2016年05月
    発行所:プランタン出版
    価格:821円(税込)
    ISBNコード:9784829685808

     

    「聴こえないのはお前のせいじゃないだろ」からストーリーが始まった

    ――『ひだまりが聴こえる』は文乃ゆきさんのデビュー作、しかも単巻完結のお話ながら、「心揺さぶられる良作」として当初から話題を呼んでいました。メインキャラクターが「後天性の難聴である」ということが作中の重要な要素となっていますが、ストーリーはどんなことから着想されたのでしょうか?

    難聴や聾の友人・知人がおり、彼等と関わっていく中で感じたことを主に話が出来上がりました。

    あと、仕事でとある福祉系の大学へ伺った際、ノートテイクなどボランティアを募る自作のポスターが貼られているのを見て「ノートテイカー」の存在を知ったので、それもきっかけの一つです。

    聴覚障害をテーマにした作品は数多くあるし、自分にとっても身近なテーマだったので、特別「こうしよう」とか意気込みなどはなく、むしろ初めてのオリジナル漫画だったので、読んでもらえるのかという不安の方が大きかったです。

    ――作中では、つらい経験が積み重なり閉じこもっていた航平の心が、太一に向けて「何かしてあげたい」「あの笑顔が見たい」というふうに少しずつ開くことで、二人の距離が近づいていきます。文乃さんが作中で特に印象に残っているシーンはどこですか?

    太一が航平に向かって「聴こえないのはお前のせいじゃないだろ」と言うシーンが一番最初に浮かんで、そのシーンが描きたくて話を作り始めたので、一番思い出に残っています。

    ――執筆中のエピソードなどもぜひ伺いたいです。

    エピソード……というほどでもないですが、プロットの段階では題名は違っていたんです。

    担当さんから「もう少し他の題名も考えてみて」と言われて、どうしようかなと考えていたらそのまま寝てしまい、東向きの部屋だったので朝になって窓から差し込んでくる光がめちゃくちゃ眩しくて「眩しいーー!!」って目が覚めた時に「ひだまり」という単語が浮かんできて、そこから今の題名になりました。


     

    映画を観て「航平ってこんなかわいい奴だったんだな」と思った

    ――6月24日(土)に映画が公開されましたが、ご覧になった感想はいかがでしたか?

    初めて観たときは物凄く緊張してたので記憶がおぼろげですが、航平と太一がひたすらかわいくて幸せな気持ちでした。

    航平の聴こえ方の演出がリアルで、効果的にされてたのが印象的でしたね。あと、ヨコの存在にとても救われたというか、シリアスな場面が多いので、ヨコが出てくると場面が明るくなって心が和みました。

    ――映画と原作では、見どころも少し異なるかと思います。実写映像になったことで印象的だったことや、ご自身の作品に対する新たな発見はありましたか?

    一番思ったのは、航平が原作より大分かわいくなってるという点です。漫画だとただ無愛想な暗い奴ですが、映画ではより感情が露わになってるというか、素直になってて「航平ってこんなかわいい奴だったんだな」と思いました。

    メイキングを見たら、どうもそれは監督の狙い(というと語弊があるかもですが)だったと知り、さすがだなぁ……と思ったのを覚えています。

    ――『ひだまりが聴こえる』は、心の動きと関係性が丁寧に描かれているという点で、BL作品にあまり馴染みのない方も十分に心動かされる作品だと思います。映画をご覧になる方、映画から作品を知った方それぞれに向けて、あらためてメッセージをいただきたいです。

    撮影現場にお邪魔した時から、監督のこだわりや演者の方々の緊張感を体感してきて、「この作品の原作者になれてよかったな」と感じていました。

    原作を読んでくださった方はもちろん、そうでない方にも楽しんでいただける作品だと思います。少しでも多くの方にご覧になっていただけたら嬉しいです。

    また『ひだまりが聴こえる-幸福論-』では、太一たちが大学2年生になったところから始まり、航平と同じ難聴の後輩・マヤが入学してきて、太一の前に立ちはだかります。他にも新キャラが何人か出てきて、それぞれと関係を築きながら二人が少しずつ進展(?)していきます。

    連載中の『ひだまりが聴こえる-リミット-』でも、「幸福論」に登場したキャラたちが結構活躍する予定なので、あわせてご覧いただけたら嬉しいです。

    ――ありがとうございました!

     

    映画「ひだまりが聴こえる」作品情報

    友達以上、恋人未満。太一との出会いが人との距離を置く航平を変えていく

    中学生の時に難聴を患ったため教室でも何かと誤解を受けて周囲とうまくなじめないまま大学生になった杉原航平は、いつしか人と距離を置くようになっていた。大学の裏庭で出会った太一は、バカみたいに明るい性格で思ったことを何でも口にする同級生だった。いつしか太一との距離が近づくようになるが、それでも学校での陰口や嫌がらせで卑屈になる航平に対し太一から「聴こえないのはお前のせいじゃないだろ!」と言われ、航平はその言葉に心の底から救われるのだった。太一との出会いが航平を変えていくのだが、近づけば近づくほど二人の距離に期待と不安が募る航平がいるようになって……

    多和田秀弥 小野寺晃良
    三津谷 亮/山崎あみ 大坂美優 井桁弘恵 松田リマ 福本有希 島田 翼 荒木秀行 木島杏奈 野村涼乃/平沼紀久 中丸新将 高島礼子

    原作:文乃ゆき(プランタン出版)
    監督:上條大輔
    製作:安井邦好 菊池貞和
    プロデューサー:片山武志 山下いづみ 中林千賀子
    アソシエイトプロデューサー:中村美香
    脚本:高橋ナツコ
    音楽:森野宣彦
    撮影:長野泰隆
    照明:児玉淳
    録音:原川慎平
    編集:渡辺直樹
    企画協力:プランタン出版
    制作:ブースタープロジェクト
    配給:日本出版販売
    製作:「ひだまりが聴こえる」製作委員会(日本出版販売 ポニーキャニオン ブースタープロジェクト)

    2017年6月24日(土)より池袋HUMAXシネマズにて公開中

    【名古屋】シネマスコーレ
    ・2017年7月8日(土)~21日(金)
    http://www.cinemaskhole.co.jp/cinema/html/home.htm

    【大阪】シネ・ヌーヴォ
    ・2017年7月22日(土)~
    http://www.cinenouveau.com/

    ※一部劇場にてバリアフリー上映も実施(詳細は映画公式サイトにて)

    http://hidamari-kikoeru.com

    ひだまりが聴こえる
    著者:文乃ゆき
    発売日:2014年11月
    発行所:プランタン出版
    価格:724円(税込)
    ISBNコード:9784829685617
    ひだまりが聴こえるー幸福論ー
    著者:文乃ゆき
    発売日:2016年05月
    発行所:プランタン出版
    価格:821円(税込)
    ISBNコード:9784829685808

     

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    ©文乃ゆき/プランタン出版 ©2017「ひだまりが聴こえる」製作委員会

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