『ぐるんぱのようちえん』のテーマとは?/「いくつのえほん」pickup:0歳向け

2015年07月18日
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日販 商品情報センター 馬場進矢
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出版社のマガジンハウスさんが今年、創立70周年を迎えます。
http://70anniversary.magazineworld.jp/

マガジンハウスさんといえば個性的な雑誌群です。旧くは旧社名(平凡出版、現社名は1983年から)を冠した「平凡」「週刊平凡」「平凡パンチ」で、今も「an・an」「POPEYE」「BRUTUS」といった看板雑誌で、ファッション&カルチャー&ライフ情報を発信し続けています。

この「an・an」「POPEYE」「BRUTUS」「Olive」等のアート・ディレクションを担当したのが、日本における「カッコ良さの基準をつくった一人」堀内誠一さんです。堀内さんは1987年に亡くなりましたが、彼がデザインしたタイトルロゴは今も使用され(「Olive」は2003年に休刊)、彼がつくった絵本は今も多くの子どもたちに読まれ続けています。

堀内さんと絵本の世界とのリンクは、奥様の堀内(内田)路子さんが福音館書店の「こどものとも」に関わっていた時期に、当時の編集長だった松居直先生を紹介したことがきっかけです(ちなみに『だるまちゃんとてんぐちゃん』(1967年/福音館書店)『からすのパンやさん』(1973年/偕成社)で有名な加古里子先生を絵本の世界へつないだのも堀内路子さんです)。そして、代表作『ぐるんぱのようちえん』が発行されたのは、今から39年前の1976年です。

ぐるんぱのようちえん
著者:西内ミナミ 堀内誠一
発売日:2008年04月
発行所:福音館書店
価格:972円(税込)
ISBNコード:9784834000832

大人の視線で見ると『ぐるんぱのようちえん』は、孤独な象の「ぐるんぱ」が様々な職業に就くもついついやらかしてしまい、すぐに解雇され、職を転々とした末に最後は自ら幼稚園を起業するという、社会の荒波に揉まれる話です。では、企画段階ではどのようにこのストーリーが設定されたのか?
堀内さんはエッセイの中でこう語ります。

『ぐるんぱのようちえん』は(ぞうの)ババール絵本のような象を主人公にしたものをと(出版社から)言われて、アドセンターでコピイライターをしていた西内さんに、子どもの時のあこがれだった“次々に職業を替える人生”をテーマに加えて頼んだのでした。
――『父の時代・私の時代』(増補改訂版、2007年、マがジンハウス)より

なんと、堀内さんの「あこがれ」が反映されたものなのでした。ぐるんぱのあの前向きな姿勢や明るい表情はここにあったのですね。
みなさんもぜひ店頭でお確かめください。

 


※読者が選んだ年齢別絵本ブックガイド「いくつのえほん」からの一冊です。

 

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