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vol.60 愛知県:精文館書店 三ノ輪店|『異世界サムライ』は女侍・ギンコが敵を斬りまくる姿が爽快なファンタジー漫画(わが店のイチオシ本)

全国の書店員さんが、もっともおすすめの本を紹介する連載「わが店のイチオシ本」。

第60回は、愛知県豊橋市に本社を置く精文館書店の商品部書籍FO(フィールドオペレーター)補佐で、三ノ輪店を担当する伊藤光さんのご登場です。

今回、伊藤さんが紹介してくださったのは、齋藤勁吾さんの異世界侍ファンタジー漫画『異世界サムライ』です。

著者・齋藤勁吾さんの表現力と、主人公である女侍・ギンコの持つ“ギャップ”が本作の魅力という伊藤さん。第1巻発売後、精文館書店三ノ輪店では即完売するほどの売行きを見せているという『異世界サムライ』の読みどころについて、熱く綴っていただきました。

異世界サムライ 1
著者:齋藤勁吾
発売日:2023年06月
発行所:KADOKAWA
価格:748円(税込)
ISBNコード:9784046824646

 

戦国時代最強の剣豪が異世界で敵を斬りまくる!

美しい青空を背景に刀をかざして微笑む主人公、そして豪快な筆文字で書かれた『異世界サムライ』の文字。表紙を見た私は「これは面白そう!」と直感的に思いました。

異世界ものといえば、もはや言わずと知れたコミックジャンルの一つ。もう飽きてしまったという人もいるかもしれません。しかし、侍かつ女性の主人公による異世界転移ファンタジーというのはこれまで聞いたことがありませんでした。しかもこのギンコという女の子、とにかく強いんです! 戦国の時代に生まれ、侍として戦場で死ぬことを何よりの誉れとする姿は、男勝りを超えて狂人の域に達しているとさえ言えます。ただ、その強さと幸運が仇となり、自身の望む死にざまを実現することができず、放浪していました。そんな時、突然剣と魔法の世界に飛ばされてしまって、というところから物語が始まります。

私が特におすすめするポイントは2つあります。

1つ目は、ギンコが刀で敵をバッサバッサと薙ぎ払う爽快感です。相手が魔物であろうと何だろうと、弱者を守り強者を打ち倒す姿は、戦闘狂である前に侍としての誇りの高さをうかがい知ることができます。また、絵の表現力の高さがそれをより際立たせているように感じました。早すぎて目で追えない刀捌き、異形である魔物の恐ろしさの表現など、数えきれないほどたくさんの見どころがあります。

2つ目は、ギンコのキャラクターとしての魅力です。普段は幼子のような喜怒哀楽を見せてくれるギンコですが、強敵が現れたと知ると恍惚の表情を浮かべ、戦いになれば容赦なく敵を切り刻む冷徹さも持ち合わせています。そのギャップが非常に素晴らしく、侍としてのギンコの底知れなさが表われていると感じました。まだ物語は始まったばかりですが、勇者と魔物との戦いにギンコがどのように関わっていくのか、ギンコと対等に戦える敵は現れるのか、これからの展開が気になるところですね。

6月に発売された第1巻は、当店では即完売。その後、現在まで追加入荷を重ね、非常に好調な売行きです。現在も新刊台近くのおすすめコミックコーナーで、「戦国時代最強の剣豪、異世界転移。」のキャッチコピーを付けて展開しています。

購買層としては異世界ものに慣れ親しんだ20~40歳の男性がメインではないかと思いますが、普段異世界ものを読まない方にも必ず楽しんでいただける作品だと思います。10月に発売された第2巻とあわせて、引き続きプッシュしていきます!

 

◆作り手からのメッセージ◆

齋藤先生の美麗な筆致から紡ぎだされる物語は、圧倒的な説得力と独創的な世界観で展開していきます。本作が続けられるのは、書店の皆様が売っていただいているおかげですし、読者の皆様に読んでいただいているおかげです。これからもより面白くなるので、期待していただければうれしいです。

(KADOKAWA フラッパー編集部 松本衡明さんより)

 

精文館書店 三ノ輪店(Tel.0532-66-2447)
〒440-0837 愛知県豊橋市三ノ輪町字本興寺16-1