『ぐりとぐら』のカステラのシーンから見えるもの/「いくつのえほん」pick up:4歳向け

2015年06月26日
楽しむ
日販 商品情報センター 馬場進矢
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ここ数年、雑誌やWebで絵本の特集が組まれることが多くなったように思います。そういった企画で十中八九取り上げられる作品に『ぐりとぐら』があります。

ぐりとぐら
著者:中川李枝子 大村百合子
発売日:2007年06月
発行所:福音館書店
価格:972円(税込)
ISBNコード:9784834000825

この絵本をご存知の方は多いでしょうが、「ぐりとぐらの関係は?」と聞かれると意外と答えられなかったりします。彼らは双子の雄の鼠です。青と赤というファッションから、彼らを雌雄と思っている方も多いのではないでしょうか。あの服の色の由来は、山脇先生のデビュー作にあるようです。

高校三年生の時にはじめて雑誌『母の友』に絵を載せてもらいました。松葉重康先生の「青組さん 赤組さん」という動物の幼稚園のお話で絵物語風です (2007年 「ぐりとぐらとなかまたち 山脇百合子絵本原画展」図録より)

おそらく、この延長で青と赤になったのですね。

そして、半世紀前に出版されたこの絵本でもっとも人気がある場面、それはp.24-25の見開きの、森の動物たちが黄色いカステラを食べるシーンでしょう。あのカステラの大きさ、美味しそうな色合い、楽しそうな雰囲気…。でも、もしも現在、児童書出版社から「新刊」として刊行するならば、この場面は企画段階で修正が入るかもしれません。

じっくりと眺めてみてください。あれは何の卵に見えますか…?それを食べているのは哺乳類、爬虫類、鳥類、甲殻類…?

「子どもの本なのになんと細かいことを」と思われるかもしれませんが、今はいろんな角度からのツッコミを想定して準備しなければなりません。児童書編集の方とこの手の話をしていると、何が保守で何が過激なのか、時おり分からなくなります。

それにしても、『ぐりとぐら』のあの牧歌的なカステラのシーンは出色です。読まれたことの無い方は、ぜひ店頭でお確かめください。

 


※『ぐりとぐら』は、読者が選んだ年齢別絵本ブックガイド「いくつのえほん」からの一冊です。

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