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    「これぞ漫画だと世界に向けて叫びたい」福井健策さん(弁護士)―各界注目の人が選ぶ「これが俺の学習マンガだ!」第9回

    2017年01月10日
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    日販 ほんのひきだし編集部 芝原
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    弁護士の福井健策さんが選ぶ「これが俺の学習マンガだ!」

    これまでに読んできた漫画の中から、自分にとって学びになったと思うものを選ぶ「これが俺の学習マンガだ!」。この連載では各界注目の人に、ご自身にとっての「学習マンガ」を選んでいただき、選んだ理由とともにランキング形式でご紹介しています。

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    第9回の選者は、弁護士の福井健策さん。福井さんは芸術活動を支援する「骨董通り法律事務所」の代表パートナーで、日大芸術学部で客員教授も務めています。そんな福井さんにとっての「学習マンガ」は、一体どんなものなのでしょうか?

    福井健策

    福井健策@fukuikensaku
    弁護士(日本・ニューヨーク州)/日本大学芸術学部 客員教授
    1991年 東京大学法学部卒。1993年 弁護士登録(第二東京弁護士会)。米国コロンビア大学法学修士課程修了(セゾン文化財団スカラシップ)、シンガポール国立大学リサーチスカラーなどを経て、現在、骨董通り法律事務所 代表パートナー。
    著書に『著作権の世紀』『誰が「知」を独占するのか』(集英社新書)、『エンタテインメントと著作権』(全5巻/シリーズ編者、CRIC)、『「ネットの自由」vs.著作権』(光文社新書)、『18歳の著作権入門』(ちくまプリマ―新書)ほか。
    国会図書館審議会会長代理、「本の未来基金」運営委員、「さいとう・たかを劇画文化財団」理事、think C世話人、東京芸術大学兼任講師などを務める。

    骨董通り法律事務所 http://www.kottolaw.com

     

    これが福井健策さんの「学習マンガ」だ!

     

    第1位『栄光なき天才たち』

    栄光なき天才たち 1
    著者:伊藤智義 森田信吾
    発売日:1997年05月
    発行所:集英社
    価格:741円(税込)
    ISBNコード:9784086170925

    偉業を成し遂げながらも、さまざまな背景・理由から正当な評価を受けなかった、不遇の偉人たちを描いた作品。

    綿密な構成、躍動する画面、時代の空気や運命に翻弄された天才たちの苦悩と喜び。これぞ漫画だと、世界に向けて叫びたい。水泳の古橋、原爆開発者、樋口一葉、東大野球部……胸打つ傑作たちの中で、遺伝法則の発見者メンデルは語る。「私は間違ってるはずだ……だがたとえ間違っているとしても……正しいと思えた時に正しいと言ったり行動したりしないとしたら……人間には何もないんだ」。

    かつてどの講義からも、これ以上大事な知識を学んだことはない。この言葉だけは、あの世までキズひとつ付けずに持って行きたいと願っている。

     

    第2位『この世界の片隅に』

    この世界の片隅に 上
    著者:こうの史代
    発売日:2008年01月
    発行所:双葉社
    価格:700円(税込)
    ISBNコード:9784575941463

    2016年にアニメ化され、再び圧倒的支持を受けたこの作品には、タイムスリップもトップアスリートも海賊王も出てこない。ただ昔戦争があって、たくさんの哀しみがあって、でも世界の片隅で人々は懸命に生きていて、そこにはキラキラした生があったという事実がある。

    歴史の教科書には書かれない事実から学び、すずさんと共に笑い、涙し、そして感じてほしい。

     

    第3位『毎日が夏休み』

    毎日が夏休み
    著者:大島弓子
    発売日:1990年03月
    発行所:角川書店
    価格:411円(税込)
    ISBNコード:9784049241464

    超高齢化社会が現実のものとなり、100年もの人生をどう生きるかを描いた『ライフ・シフト』という本が話題である。少女が中学校をドロップアウトして義父と会社を起こし、その心躍る日々を「計画する 実行する 失敗する 出会う 知る 発見する 冒険とスリル 自由と喜び まさに夏休みそのものだ」と振り返る。

    学校や職場が辛く、悩み、時には死にたいとさえ思う人へ。自由な心とちょっとの勇気があれば、長い人生は牢獄ではなく、永久に続く輝く夏休みにもなるかもしれない。

    最後のコマは、大島弓子から人生で受け取った数々の贈り物の中でも、ひと際美しくすがすがしい。

     

    福井健策さん、選んでみてどうでしたか?

    福井健策さんより:
    ご多分にもれず3点を選ぶのは苦しい試練だった。文字制限の限り、他の漫画から学んだことを記そう。

    チャールズ・M・シュルツ『ピーナッツ』。自分は9歳からの読者(まだ角川以前のツル・コミックス版で、240円と290円が混在して売られていた頃)で、家の仕事を手伝っては小遣いで一冊ずつ買い揃えた。アメリカ文化の最良の部分は、スヌーピーと仲間たちから珠玉の谷川俊太郎訳で学んだ。米国のエンタメ界の猛者たちとの契約交渉に明け暮れ、日/米という永遠に解けないパズルに悩む日々でも、その光は色あせない。

    杉浦日向子『百物語』。江戸から受け継ぐ日本人の美意識と、その世界的レベルへの確信。『おーい竜馬!』。幕末の人間群像は多くの傑作で学んだが、この武田鉄矢・小山ゆう版が原点であり最高峰。

    森下裕美『大阪ハムレット』。多様な存在を認める社会の豊かさ、それを守るための勇気。

    東村アキ子『かくかくしかじか』。東村作品では、自分もこれが一番かな。創り続けること。生き続けること。

    手塚治虫『火の鳥』。漫画の無限の可能性。百万の議論でも変えられない人間の生き方・世界観を、一瞬で覆し得る芸術の力。手塚先生、僕らに漫画をありがとう。ジジイになっても読み続けます。

     

    これが俺の学習マンガだ!とは?

    「これが俺の学習マンガだ!」は、日本財団が主催する「これも学習マンガだ!」 の連動企画。「これは自分にとって学びになった」「新しい世界を知った」という作品をランキングにしてWeb上に投稿し、SNSでシェアすることができます。なお投稿された作品やランキングは集計され、「総合ランキング」として2017年1月に発表される予定です。

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