田渕久美子

作品ごとにお引っ越し!?「篤姫」「江」「美女と男子」の脚本家・田渕久美子さん。『おね』の場合は……

2016年11月12日
楽しむ
日販 ほんのひきだし編集部「新刊展望」担当 猪越
Pocket

「引っ越し魔」という脚本家の田渕久美子さん。1週間後に転居を控えているという仕事場にお邪魔した。「1作品書き終わると、不思議なくらいなぜか引っ越すことになるんです。この家には『おね』のためにいたんだなと思います」

f_18009597_%e7%94%b0%e6%b8%95%e4%b9%85%e7%be%8e%e5%ad%903

最新作『おね(上・下)』は、豊臣秀吉の正室であり、加藤清正や福島正則らの戦国武将を母代わりとなって育てたおねの生涯を描く。

おね 上
著者:田渕久美子
発売日:2016年10月
発行所:NHK出版
価格:1,728円(税込)
ISBNコード:9784140056790

田渕さんは常に「いまを生きる女性たち」へのメッセージを作品に込めてきた。子を持たない生き方を選ぶ女性も多い現代。「子どもを産む、産まないにかかわらず、人を、特に男性を育てるのが女性」。信長、秀吉、家康と3人の天下人と同時代を生き、その類まれな共感力で、天下泰平の世を実現しようと奮闘したおねは、まさに“戦国のゴッドマザー”。

「特にドラマのセリフはその人になりきらないと、出てこないもの」。登場人物すべてを愛し、その人の正義を理解することでドラマの幅が広がっていく。そんな女性ならではの感性が作品と見事にマッチした歴史大河小説だ。

%e7%94%b0%e6%b8%95%e4%b9%85%e7%be%8e%e5%ad%901

一年中足元に置いてある、愛用のセラミックファンヒーター。執筆に熱中し過ぎた頭をクールダウンするためにも、仕事中は室温を低めの温度設定にし、頭寒足熱の状態を保っている。

歴史小説も横書きで書き、縦書きで赤を入れるのは、「自分の中の居場所」が変わり客観的になれるから。机の向かいにあるソファに寝転がり、他人の目で「手も洋服も赤ペンだらけになるくらい、直し続けます」。「気持ちの切り替えが早く、一歩仕事場を出ると仕事のことはまったく考えない」が、『おね』は「初めて寝食を忘れて」取り組んだ作品。本作をきっかけに、新居は「物を作る人間としての自分を見つめようと思って、都心を離れることに。転換期なんだなという気がしています」。


f-17777780_%e7%94%b0%e6%b8%95%e4%b9%85%e7%be%8e%e5%ad%90

田渕久美子 Kumiko Tabuchi
島根県生まれ。脚本家・作家。NHK大河ドラマ「篤姫」「江」、NHK連続テレビ小説「さくら」(橋田賞受賞)のほか、「妻の卒業式」「女神の恋」「ダイヤモンドの恋」など話題作の脚本を多数執筆。前向きに生きる女性たちの姿を豊かな表現で描き、深い共感を得ている。主な著書に『女の道は一本道』『毎日が大河』『江 姫たちの戦国(上・下)』『美女と男子』など。

女の道は一本道
著者:田渕久美子
発売日:2011年01月
発行所:小学館
価格:473円(税込)
ISBNコード:9784094085808
毎日が大河
著者:田渕久美子
発売日:2011年12月
発行所:幻冬舎
価格:1,296円(税込)
ISBNコード:9784344021129
美女と男子
著者:田渕久美子
発売日:2015年04月
発行所:NHK出版
価格:1,728円(税込)
ISBNコード:9784140056639

(撮影/岡島凱)


(「新刊展望」2016年12月号「創作の現場」より転載)

common_banner_tenbo

Pocket

タグ
  • ほんのひきだし公式Instagram

    ほんのひきだし公式Instagram
  • 関連記事

    ページの先頭に戻る