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2017年大河ドラマの主人公・井伊直虎。その波乱の生涯と時代を描く!梓澤要さんの仕事場訪問

2016年09月28日
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日販 ほんのひきだし編集部「新刊展望」担当
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打ち合わせによく訪れる自宅近くの珈琲店。奥には執筆に打ってつけの机もあるが「実際に座っている人はほとんど見ないかも(笑)」。

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机上にあるのは次回作の資料。「人物像や状況が頭の中で描けるくらいに定まらないと書き始めてもぶれてしまうので、書き出すまでの時間が一番大事。〈いつかこれを書きたい〉という資料は何年も前から集めますし、地元にしかないレアなものは、執筆の予定がなくてもとりあえず買っておきます」

2017年大河ドラマの主人公・井伊直虎とも他作品の取材の中で出会った。十数年前に浜松市にある井伊家の菩提寺・龍潭寺の売店にあった小冊子に「次郎法師」の名を見つけたのがきっかけ。この度文庫化された『井伊直虎』は尼僧の身で領主となり、一族の存亡を担った直虎の人生を描く長編小説。『城主になった女 井伊直虎』では「千年王国」と謳われた井伊家の歴史や、戦国の時代背景についても解説してくれる。2冊あわせて読むことで、連綿と続く歴史の奥深さと、そこに立ちあがる人間ドラマが存分に味わえる。

井伊直虎
著者:梓沢要
発売日:2016年08月
発行所:KADOKAWA
価格:994円(税込)
ISBNコード:9784041044797
城主になった女井伊直虎
著者:梓沢要
発売日:2016年08月
発行所:NHK出版
価格:1,188円(税込)
ISBNコード:9784140817070

周辺は寺町で、「江戸時代の切絵図そのまま」の街並みが残る。「江戸や明治の時代と地続きの場所」は散歩に適した歴史小説家にぴったりの土地柄だ。歴史小説を書くのは「裁判みたいなもの」と語る。その人物の本当の姿を見いだすために、貶めるでも持ち上げるでもなく“検察側”と“弁護側”の意見を戦わせて公平に判断する。傍証を丹念に掬い上げて描かれる世界では、主人公を取り巻く一人一人が輝き、鮮烈な印象を残す。その厚みこそ、歴史好きならずとも物語に引き込まれる所以だろう。


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梓澤要 Kaname Azusawa
1953年静岡県生まれ。明治大学文学部卒業。1993年、『喜娘』で第18回歴史文学賞を受賞しデビュー。歴史に対する確かな目線と骨太のドラマを織り込んだ作風で着実な評価を得てきた。作品執筆の傍ら、1997年から東洋大学大学院で仏教学を学ぶ。2014年『捨ててこそ空也』で、第3回歴史時代作家クラブ賞作品賞を受賞。他の作品に『光の王国 秀衡と西行』『荒仏師運慶』など。

喜娘
著者:梓沢要
発売日:2010年04月
発行所:新人物往来社
価格:771円(税込)
ISBNコード:9784404038388
捨ててこそ空也
著者:梓沢要
発売日:2013年08月
発行所:新潮社
価格:2,160円(税込)
ISBNコード:9784103345312
光の王国
著者:梓沢要
発売日:2013年11月
発行所:文藝春秋
価格:2,052円(税込)
ISBNコード:9784163827605
荒仏師運慶
著者:梓沢要
発売日:2016年05月
発行所:新潮社
価格:1,944円(税込)
ISBNコード:9784103345329

(「新刊展望」2016年10月号「創作の現場」より転載)

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