• これぞ道尾秀介ワールド!連作群像劇『鏡の花』が“ある仕掛け”を施されて文庫化

    2016年09月16日
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    日販 ほんのひきだし編集部 「新刊展望」担当
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    少年が解き明かそうとする姉の秘密、曼珠沙華が物語る夫の過去、 製鏡所の娘が願う亡き人との再会……。
    「大切なものが喪われた、 もう一つの世界」を生きる人々。
    それぞれの世界がやがて繫がり合い、 強く美しい光で、彼らと読者を包み込む。

    (集英社文庫『鏡の花』裏表紙紹介文より)

    人気作家・道尾秀介さんによる連作群像劇『鏡の花』が文庫になりました。文庫版『鏡の花』は、単行本で一度読んだ方にもぜひ読んでいただきたい一冊です。

    今回文庫版発売にあたり、担当編集者の方から作品ガイドを寄せていただきました。作品ガイドを読むと、「なぜ文庫版でもう一度読むべきなのか?」その理由が分かります。

    鏡の花
    著者:道尾秀介
    発売日:2016年09月
    発行所:集英社
    価格:691円(税込)
    ISBNコード:9784087454871

     

    緻密な構成が輝く”道尾文学”の最高峰

    もしもあの瞬間(とき)に戻れたら――。
    誰の人生にも訪れるそんな気持ちを抱きながら、「大切なものが喪われた、もう一つの世界」を生きる人々。こみ上げる喪失感の中で、希望の光を探り続ける登場人物たちを描くことで、生きることの真実を鮮やかに読者に提示してくれる、道尾秀介さんの新たな挑戦が輝く作品です。

    文庫化にあたっての最初のゲラのやりとりで、道尾さんから「章の順番を入れ替えたいと思う。どう思いますか?」というご提案をいただきました。単行本から文庫化する際は、著者が大きく改稿することも、ほとんど手を加えずに刊行する場合もあります。道尾さんは、章の順番を入れ替えるという挑戦を試みたいと、私に伝えてくれました。文庫という作品の最終形態を仕上げる際に、道尾さんが考え抜いた結果ではないかと思います。書評家の杉江松恋さんも解説でこのことに触れてくださっていますが、各章の対比がより明確になり、道尾さんの施した「仕掛け」が際立つ結果となっています。

    カバーは当初、単行本と同じものを使用する予定でした。デザイナーの片岡忠彦さんからラフをいただいた際に、「こういったものもいかがでしょうか」と今回のカバーとなったラフが添えられていました。そちらを拝見して、道尾さんと相談し、単行本とは内容的に大きな変更があるので、読者の方々に最初に見せる「顔」であるカバーも変えることになりました。

    こうして、装いも新たに文庫版『鏡の花』が刊行されました。
    最終章まで読み通したとき、一章ずつ描かれていた風景とは全く違う風景が目に浮かんでくる――。そんな「誰も読んだことのないような連作小説」を、一人でも多くの人に是非読んでいただければと思います。

    (文・集英社 文庫編集部 田島悠)


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