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    人気声優・池澤春菜さんが語るSFの魅力「SFだから届く、物語がある」

    2016年07月04日
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    日販 ほんのひきだし編集部 「新刊展望」担当
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    声優、歌手、また近年は「朝日新聞」や「本の雑誌」で書評を担当するなど文筆家として活躍する池澤春菜さん。新刊『SFのSは、ステキのS』は大のSF好きとして知られる池澤さんの、SFへの愛が詰まった一冊。新刊とSFの魅力についてお話を聞いた。

    SFのSは、ステキのS
    著者:池澤春菜 Coco
    発売日:2016年05月
    発行所:早川書房
    価格:1,620円(税込)
    ISBNコード:9784152096159

    池澤春菜は声優である。しかしてその実態は、SFを始めとする趣味への道まっしぐらのオタク女子であり、なんぴともその行動を阻むことはできないのだ。SFマガジン連載時のcocoのマンガに加え五百項目に及ぶ「ステキな用語集」を書き下ろしたエッセイ集。

    ハヤカワ・オンライン『SFのSは、ステキS』より)

     

    『SFのSは、ステキのS』は、外見も中身も濃い一冊

    ―新刊『SFのSは、ステキのS』は表紙からしてSF感満載でインパクトがありますね。

    池澤春菜(以下、池澤)『乙女の読書道』と同じデザイナーさんなのですが、今回は表紙もガツッとSFにしましょうと。ウィリアム・ギブスンの『ニューロマンサー』の表紙をモチーフにしています。私はこのサイバーパンクシリーズが大好きなのでオマージュした表紙にしたくて、写真家のジュリワタイさんに以前撮っていただいた写真を現代ならではのやり方でコラージュしていただきました。

    ニューロマンサー
    著者:ウィリアム・ギブソン 黒丸尚
    発売日:1986年07月
    発行所:早川書房
    価格:1,037円(税込)
    ISBNコード:9784150106720

    ※サイバーパンク… 1980年代にウィリアム・ギブスン、ブルース・スターリングらが提唱し流行したSFのサブジャンル。当時急速に発展していたIT技術やバイオ工学など最先端の科学技術と、現代的な社会風俗とを織り交ぜ、「今」を活写しようというもの。(『SFのSは、ステキのS』より引用)

    乙女の読書道
    著者:池澤春菜
    発売日:2014年01月
    発行所:本の雑誌社
    価格:1,620円(税込)
    ISBNコード:9784860112523

    声優、歌手として活躍されている池澤春菜初の読書エッセイ集。「本の雑誌」に連載中のブックレビュー「乙女の読書道」を中心に、「週刊プレイボーイ」で連載したコラムや読書日記を収録。巻末には父である池澤夏樹氏との父・娘対談も掲載!

    WEB本の雑誌『乙女の読書道』より)

    ―ロボットに乗っての撮影だったとか。撮影についてのお話も収録されていますね。

    池澤:スケルトニクスという、装着して動くことのできる1人用のロボットです。本来だと竹馬みたいな感じに動けるのですが、バランスを取るのに習熟が必要らしく、補助してくれる支柱を付けたまま撮影しています。制作した技術者の方には「走ったり飛んだり、いろいろできますよ」と言われたのですが、私は一歩も動けませんでした(笑)。

    ―『SFのSは、ステキのS』には2010年から「SFマガジン」で連載されたエッセイ50回分が収録されています。cocoさんの4コマ漫画とのコラボも楽しめますが、連載はどのようなきっかけで始まったのですか。

    池澤:cocoさんの『今日の早川さん』という4コマ漫画がドラマCDになるときに、早川さんの声を担当させていただいたんです。収録のときにcocoさんと(SFマガジン元編集長、本書の編集担当である)阿部毅さんと初めてお会いして。お話をしてみると、cocoさんも相当SFがお好きとわかって、2人で「SFマガジン」で何かやってみませんかというお話になりました。それ以来ずっと続いています。

    今日の早川さん
    著者:Coco
    発売日:2007年09月
    発行所:早川書房
    価格:1,080円(税込)
    ISBNコード:9784152088550

    [日販MARCより]
    SF者の早川さん、ホラーマニアの帆掛さん、純文学読みの岩波さん、ライトノベルファンの富士見さん、レア本好きの国生さん。本好きの女の子たちの日常を丹念に描いた人気ブログ・コミックが、ついに刊行。

    阿部毅『今日の早川さん』の中で、早川さんが「SFのSは素敵のS~」と歌うシーンがあるんです。そこを池澤さんがCDの中で勝手に節をつけて歌っていて……。

    池澤:それをタイトルにもいただきました。

    ―「SFマガジン」といえば言わずと知れた専門誌ですが、SFのディープな話題はもちろん、趣味を極めるご自身の日常についてなど内容は盛りだくさんですね。38ページ(!)にわたる用語解説も付いていて、初心者にも親切な、お得な一冊です。

    池澤:「SFマガジン」を手に取ってくださるのは、SF好きである程度の知識がある方。その連載をそのまま一冊の本にまとめると、初めて読む方に不親切なものになってしまいます。「解説したほうがいいかな」という単語を拾い集めたら、とんでもない数になってしまいました。さまざまな私関係のノイズも入っていますけれど、SF用語集の中でも相当役に立つものになったのではないでしょうか。執筆にあたっては大変過ぎて私がしばらく放置していたので、助っ人に堺三保さん(SF評論家、翻訳家)をお呼びし、大変なところはすべて三保さんにお願いしています(笑)。

    ―初回特典の挟み込みも、楽しい仕掛けですね。

    池澤:本ではなく、池澤春菜の解説を大森望さんに書いていただき、それを懐かしい月報の形にしています。児童書などにもこういうタイプの挟み込みの月報があるので、わかる人にはクスリとしてもらえるのではと思います。

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