芝村凉也「素浪人半四郎 百鬼夜行」:時代小説文庫、いま読むならこの作家!③

2016年04月17日
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日販 ほんのひきだし編集部「新刊展望」担当
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時代小説の中でも近年注目を集めている文庫書き下ろしから、特にいま読んでおきたい作家8人のシリーズを担当編集者が紹介する「時代小説文庫、いま読むならこの作家!」。今回ご紹介するのは芝村凉也さんの「素浪人半四郎 百鬼夜行」シリーズです。

 

素浪人が剣を抜く相手は「怪異」。市井物×怪異譚×本格伝奇

孤闘の寂
著者:芝村凉也
発売日:2016年01月
発行所:講談社
価格:713円(税込)
ISBNコード:9784062932974

半四郎シリーズは、宝島社の「この時代小説がすごい!」で2014年度5位に入り、引き続き2015年度も5位となり、2年連続のランクインを果たしました。文庫書き下ろしを中心に新刊時代小説を紹介するウェブサイト「時代小説SHOW」でも2015年第1位に選出された注目の時代小説です。

第一巻『鬼溜まりの闇(きだまりのやみ)』では巻末解説の縄田一男氏に「こんなに興味津々、かつ難しい解説を書くのは何年ぶりだろうか」と恐れられ、最新刊『孤闘の寂(ことうのせき)』については、同じく解説の細谷正充氏から「史実と結びついた、驚愕の真実が明らかになる。よく、こんなことを考えつくものだ」と感心されました。歴史・時代小説読みの目利きにも、驚きを交えた高評価をいただいています。

江戸に流れてきた素浪人の居住まいと悩みを描く市井物として素晴らしく、あやかし達に素浪人・謎の老人・奇妙な幼児の3人で立ち向かう本格怪異譚ともいえ、それがじつは単純な怪異現象でなく江戸幕府の権勢を揺るがす甚大な危機と密接に絡むという、壮大なスケールの伝奇的小説でもあります。ふんだんに小説のエッセンスが盛り込まれながら、筆致は端正、時代考証は綿密完璧です。

5月には第七巻(零巻を含めて通巻八巻)の『邂逅の紅蓮』が刊行。マグマ燻る浅間山の麓に半四郎が陥る最大の危機とはさていかに? 私は第一の読者となれる担当編集者の幸せを味わっているところ。今まさに興奮の絶頂です!

(講談社 講談社文庫出版部 高橋典彦)

芝村凉也(しばむら・りょうや)
1961年、宮城県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。学生時代は映画サークルでシナリオ作成に熱中。2011年『返り忠兵衛 江戸見聞 春嵐立つ』(双葉文庫)でデビュー。端正で深みのある読み味で注目される。「素浪人半四郎百鬼夜行」シリーズ(講談社文庫)は「この時代小説がすごい!」(宝島社)文庫書き下ろし部門2年連続ランクイン。ウェブサイト「時代小説SHOW」で2015年時代小説ベスト10文庫書き下ろし部門1位。「御家人無頼蹴飛ばし左門」シリーズ(双葉文庫)も好評。

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④ 坂岡真「鬼役」を読む


(「新刊展望」2016年4月号より転載)

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