〈インタビュー〉警察学校を描いて大ヒット!長岡弘樹さんの異色の警察小説『教場』の第2弾が登場!!

2016年02月26日
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日販 商品情報センター 「新刊展望」編集部
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「学校」の名は付いているが警察の一組織であり、必要な技能を身に付けるため日夜厳しい試練が待ち受ける場所。そんな「警察学校」を舞台に警察小説に独自の分野を開いてベストセラーとなった長岡弘樹さんの『教場』。その第2弾が、満を持して登場だ。

教場 2
著者:長岡弘樹
発売日:2016年02月
発行所:小学館
価格:1,620円(税込)
ISBNコード:9784093864350
教場
著者:長岡弘樹
発売日:2015年12月
発行所:小学館
価格:680円(税込)
ISBNコード:9784094062403

外出を制限され、携帯電話さえ取り上げられてしまう警察学校は、大きな密室ともいえる。学生たちは年齢や職歴がさまざまな仲間とともに、その閉鎖された空間で半年間を過ごす。恐怖、裏切り、嫉妬などさまざまな感情がうごめき事件を引き起こしていくが、白髪隻眼の教官・風間はその「心眼」ですべてを見抜いてしまう。

医師から警察官に転職し、その過去から思わぬ苦境に追い込まれる男、容姿に自信があり、広告塔としての自分に驕心を抱く女子学生、刑事を目指すあまり、犯罪捜査以外の授業には身の入らない者……。警察学校は、「必要な人材を育てる前に、不要な人物をはじきだすための篩(ふるい)」。風間が1週間の猶予を与えて学生に渡す“半引導”(退校届)は、彼らを追いつめ、警察官として、1人の人間として、大きく成長させていく。

「主人公がしんどい目に遭う、試される話はエンターテインメントの王道だと思います。そこを真正面から書ける、登場人物を苦しめられる」舞台が整っていることが本作の魅力を高めている。

前作では取材が叶わず「数少ない文献で知識を仕入れて」描いた警察学校だが、今回は卒業式の様子を見学した上で執筆することができた。「想像していたのとあまり違わなかったところがかえって意外でした」と語るが、その経験は作品の「色合い」にも反映されている。「実際に取材すると、いまの警察学校では暴力はご法度。その話が頭にあったので、バイオレンスなシーンは前作と比べたら抑えられているのでは」。どちらがより好みかは読み手次第だが、独立した作品でありながら前作からの流れもあって、あわせて読めば、その世界観が広がること間違いなし。「『2』の読後感の良さは、『3』のダークな面をより際立たせるための布石かも」と気になる予告もあったので、ぜひシリーズで楽しむことをお勧めしたい。

連作短編集だが、長編としての読み応えもたっぷり。「アイデア小説というジャンルが好きなんです。短編は余計なものをそぎ落として、アイデアを際立たせる形式。僕は“手続き”と呼んでいるのですが、着地点に向けて、その前段階をどう作っていくか」に重きを置く。人物の台詞や動き、風間が学生たちに課す“課題”に込められた意味や思いなど、一つひとつ“手続きを踏んで”組み上げられた緊張感と伏線の鮮やかさはクセになるおもしろさだ。

「試される若者を描いているので、若い人はもちろん、日ごろ自分は試されているなと感じている人にはわが身に引きつけて読んでもらえるのでは。ぜひ多くの方に手に取っていただきたいですね」


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長岡弘樹 Hiroki Nagaoka
1969年山形県生まれ。筑波大学卒。2003年「真夏の車輪」で第25回小説推理新人賞を受賞。2008年「傍聞き」で第61回日本推理作家協会賞短編部門を受賞。同作を収録した文庫『傍聞き』は40万部を超えるベストセラーとなる。2013年に刊行した『教場』は、週刊文春「2013ミステリーベスト10 国内部門」第1位に輝き、2014年本屋大賞にもノミネートされた。他の著書に『線の波紋』『波形の声』『群青のタンデム』などがある。

傍聞き
著者:長岡弘樹
発売日:2011年09月
発行所:双葉社
価格:566円(税込)
ISBNコード:9784575514537
線の波紋
著者:長岡弘樹
発売日:2012年11月
発行所:小学館
価格:669円(税込)
ISBNコード:9784094087727
群青のタンデム
著者:長岡弘樹
発売日:2014年09月
発行所:角川春樹事務所
価格:1,620円(税込)
ISBNコード:9784758412438

(「新刊展望」2016年4月号「著者とその本」より転載)

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