• 六文って今だと420円くらいでしょうか? 文・「コミック乱ツインズ 戦国武将列伝」編集長 新田隆治

    2016年02月26日
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    日販 商品情報センター「日販通信」編集部
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    NHK大河ドラマ「真田丸」、面白いですね。主人公は真田信繁。とても人気のある戦国武将です。視聴率も好調なようで、やはり真田信繁が主人公の作品「バイラリン~真田幸村伝~」を掲載する我が「戦国武将列伝」としても、(便乗を狙って)この盛り上がりが続くことを願うばかりです。

    ところでこの真田信繁、一般には真田「幸村」という名でよく知られていますが、この名は彼が生きた時代の史料には登場しません。ある程度歴史好きな人にはよく知られた話ですが、「幸村」という名前は彼の死後、江戸時代に書かれた文献が初出とされています。なぜ「幸村」という呼称が登場したかは判然としていませんが、その後に講談などを通じてこの名が世間に流布し、現在では本名「信繁」よりも認知度が高くなったそうです。

    真田幸村の例に限らず、真実と異なる誤認や勘違いが、事実として広く認知されてしまうことはよくあります。

    個人的かつどうでもいい例えで恐縮ですが、私は大学卒業後、数年ぶりに会った同級生から「学生時代は金髪だったよね」と言われました。しかし私は大学の4年間のみならず、生まれてこのかた頭髪を金色に染めたことはありません。ではなぜ、このような誤認を複数の人にされたのか。そういえば、学生時代の私を「チャラチャラした奴だ」と認識していた人が(不本意ながら)多かったように思います。おそらくそのイメージが、私の頭髪の印象を改変してしまったのでしょう。

    他にも「学生時代に看護師と付きあっていた」(付き合ってみたかったですが身に覚えがありません)、「サッカーがうまそう」(体育の成績はあまり芳しくありませんでした)、「お前が持っていると缶ジュースでも酒に見える」(この理由はなんとなく分かりますが…)など、私をとりまく勘違いには枚挙に暇がありません。私という人間のイメージには、よほど隙が多いのでしょう。

    実は真田幸村にも、名前だけでなく、そのイメージや出自が実際とは違うかもしれない形で伝わっている部分があります。たとえば幸村の最も有名なエピソードである、大坂の陣。「真田丸」が登場する戦ですね。幸村は敗戦の色が濃厚となってからも、徳川からの寝返り工作をつっぱねて豊臣方に留まり、最期まで奮戦。敵の大将・徳川家康をあと一歩のところまで追い詰める活躍を見せます。これをもって「豊臣に忠義を尽くした」とする創作物もありますが、そうではなく、単に家康が嫌いだったとか、戦で活躍できそうな方を選んだとか、そういったところが本当のモチベーションだったのではなかったのかとも言われています。

    さらに、幸村は真田昌幸(草刈正雄さんの演技が最高ですね)の次男とされていますが、実は長男だったかもしれないという説もあり、そのイメージは実に不確か。そういう意味では、私も幸村も大差ないのかもしれませんね。冗談です、すみません。

    それはともかく、真田幸村をはじめとして、戦国武将には心震わせるエピソードが多数遺されています。私にはそのように語り継いでもらえるようなものはまだないと思いますが、そろそろ40歳を迎えるということもあって、残りの人生を如何に過ごすかということを考える機会が増えました。戦国武将の逸話のように…というのは言い過ぎでしょうが、身内や友人たちの間で、私の死後も思い出し、茶飲み話にしてもらえるような生き方ができれば、そしてそれを聞く人、語る人の心を震わせるようなエピソードが残せれば最高です(先述の友人達のように、適当に脚色して語ってくれるかもしれませんけどね)。高望みだと言われるかもしれませんが、少なくとも私自身は、自分のこれからの人生に期待しています。


    リイド社「コミック乱ツインズ 戦国武将列伝」編集長
    新田隆治 ―NITTA Ryuji
    1977年生まれ、山口県出身。地方情報誌や業界新聞の記者などを経て、2005年にリイド社に入社。以来漫画の編集に携わり、2015年から「戦国武将列伝」編集長。


    「コミック乱ツインズ 戦国武将列伝」
    唯一無二の戦国武将専門コミック誌。硬派なものから奇想天外なものまで、幅広い作品を収録している。豪華な連載作家陣や多彩なゲスト作家にも注目してほしい。4月号(2月26日発売)では、ゲスト読み切りに柴門ふみ先生が登場! 初の歴史物で、細川ガラシャの悲恋を描く。もちろん、人気連載作品も多数収録。

    コミック乱ツインズ 戦国武将列伝 2016年 04月号
    著者:
    発売日:2016年02月26日
    発行所:リイド社
    価格:450円(税込)
    JANコード:4910138930468

    〉戦国武将列伝WEB
    http://www.sengokubusyou.com/


    (「日販通信」2016年3月号「編集長雑記」より転載)

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