• 「“本“を通して商店街全体を盛り上げたい!」老舗書店×地元大学の地域活性化プロジェクト

    2019年02月05日
    本屋を歩く
    ほんのひきだし編集部
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    2018年10月に第2期がスタートした、山口県の老舗書店「文榮堂」と山口大学による地方創生プロジェクト。

    同年12月、「本とつながる、本屋とつながる」をテーマに参加学生たちが考えた4つの企画が、実証実験として文榮堂店頭で展開されました。

    【1】Memory Book
    書店店頭がメディアとなり、店主のまちに対する想い(Memory)を本(Book)とともに紹介する企画。

    【2】BOOKS’ LOVE LETTER
    地域や本、人に対して“ときめき”“身近さ”を感じるきっかけを提供し、書店を通じた新しい交流をはかる企画。
    併設カフェ「文榮堂珈琲」の一角に用意された靴箱型のメッセージボックスを使って、来店客や書店員がやりとりする。

    【3】つなげる本
    1冊の本を5分割し、参加者それぞれが割り当てられたパートだけを読んで共有することで「参加者全員で1冊の本を読む」という新しい読書会。

    【4】ほんのゆうびんやさん
    地域の子どもたちに、本に触れ、商店街を歩くことで新しい発見をしてもらうことを目的とした企画。
    本を読み、感想POPを制作し、“ゆうびんやさん”として本とオリジナルPOPを商店街の指定の場所に届けると記念品がもらえる。

    ほんのひきだしでは企画段階で、【2】BOOKS’ LOVE LETTER、【3】つなげる本(当時の名称は「バラバラ本」)を考案した2チームに、企画の意図や、実施によって期待していることなどを伺いました。

    「書店起点の地方創生 地元大学生はどうアプローチする?」(ラブレター編・バラバラ本編)として公開中。

    今回は「実際に実現させてみてどうだったか?」を、

    【1】Memory Book
    【4】ほんのゆうびんやさん

    の2チームにくわしく聞いていきます。

    今回お届けするのは「Memory Book」企画チームへのインタビューです。

     

    商店街で働く人々の、「本」を通した自己紹介を集める

    ―― まずは「Memory Book」という企画の内容について、もう少しくわしく教えてください。

    「Memory Book」は、“商店街に来る人”と“商店街でお店を開いている人”が本を通じてつながることを目的にしています。

    山口市中心商店街には、八百屋や魚屋をはじめ、飲食店、洋服屋、美容室、寝具店、雑貨屋、銀行、学習塾など、いろんなお店が集まっています。それぞれの店主におすすめの本を紹介してもらい、同時にその方はどういう人なのか、その人のいるお店がどんなところなのかを紹介することで、本に興味を持った人がお店に足を運ぶ新たな動機を提供しようと考えました。

    ―― 具体的には、どんなことをしたのでしょうか。

    今回の実証実験では、それぞれのお店に「おすすめ本の紹介・店主の紹介・お店の紹介」をまとめたポスターを貼ってもらい、文榮堂本店には、おすすめ本を「店主とお店を紹介するPOP」「参加店舗をまとめたパンフレット」と一緒に並べました。

    ▼協力店に掲出したポスター(左)と店頭パンフレット(右)

     

    書店を訪れた人が、商店街のほかの店へ足を運ぶきっかけに

    ―― 商店街の人たちを巻き込んだ企画ということですね。

    商店街を訪れる人には、すでに目的があって、特定のお店に行っている人が多いようです。また、昔から続く商店街なので、地域に根づいているというよさがある反面、新しく町に来た人にとっては「入りづらい」というイメージを与えているように思いました。

    なので、お店の人そのものに興味を持ってもらって、そこからお店との縁が生まれたらいいなと考えました。

    ――「書店をもっと多くの人が訪れるように」ではなく、「人の行き来が増えることで、商店街全体が活気づくように」。

    そうです。今回の企画で「書店起点で、ほかのお店にお客さんが足を運ぶ」「紹介された本が売れた」といった事実は確認できませんでしたが、興味は持ってもらえたようで、店頭の無料パンフレットは多くの方が持ち帰っていました。また、協力店の方からは「今回の企画が、お客さんとのコミュニケーションのきっかけになった」という声もいただいています。

    今回は4店舗とやや小規模での実施だったので、今後は参加店を増やして、商店街全体くらいの規模にできたらと思います。

    ――「Memory Book」は12月3日から31日まで、1か月間展開されました。実施を通してどんな気づき・発見がありましたか?

    「商店街ではこんな人が働いている」「このお店の店主はこんな人」という発見を“本”を通して提供し、新しいつながりを生むことができたのが何よりの収穫です。普段の営業の中ではなかなか話の及ばない部分だったり、会話のやりとりだけではわからない個性的なところが浮かび上がってきたりして、コミュニケーションのきっかけをつくることができました。

    実際にお店のお客さんから「店主の新たな一面を知った」というコメントもいただいていますし、今回協力してくださった店舗の息子さんが、(父親から企画に参加していることを聞いておらず)文榮堂店頭で企画のことを知ったというエピソードもありました。

    ポスターやパンフレットをもっと効果的なものにする、もっと商店街のいろんなお店が参加しやすいよう工夫するといった運営面の改善点もあったので、今回の企画で「お店とお客さんとの新たなコミュニケーション」を生むことができた経験をふまえて、さらに規模を拡大していきたいです。

    ―― ありがとうございました!




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