• 「こどもの本のセレクトショップ」という道を選んだ、ある書店の姿

    2018年04月18日
    本屋を歩く
    日販 ほんのひきだし編集部「日販通信」担当 野田
    Pocket

    2017年秋、東京・小石川に1軒の児童書専門店がオープンした。

    「こどもの本屋 てんしん書房」――その名は、「こどもたちに天真爛漫に育ってほしい」と願って付けたものだという。

    緑豊かな公園の目の前。店内にはやわらかな陽の光。素朴で木のぬくもりを感じさせる内装。やさしくあたたかい雰囲気が漂う20坪ほどの店舗だ。売場に並ぶ4300冊前後の児童書は、すべて店主の中藤智幹さんが1冊1冊に目を通して仕入れたもの。「こどもの本のセレクトショップ」が店のスタンスである。

    児童書に日々向き合う中藤さんの想いと、開店から半年を迎えるお店の姿を取材した。

     

    子どもたちに読んでもらいたい本だけを

    てんしん書房は新刊配本を受けず、中藤さんが選んだ本のみを仕入れている。流行りのベストセラーはあえて扱わない。その選書基準はこうだ。

    「自分が読んで心から良いと思った絵本を子どもたちに読んでもらいたい。昔から読み継がれてきたロングセラーなのか、最近の絵本なのかは関係ありません」

    「また昨今は”大人のための絵本”も増えていますが、うちに置くのはあくまでも子どものための本です。子どもから何も引かない、何も足さない、子どもが子どもであることを加速させる、そんな絵本を置きたいと考えながら選書しています」

    入口正面の平台は月変わりフェア。1月は〈パンダ〉、2月は〈歯みがき〉がテーマだった。

    ▼入口付近から見た店内店内中央の棚は、片面6つ、表裏で12のコーナーに区切られたカテゴリー別おすすめ本。ここも月1回のペースで変えている。取材時には〈ともだち〉〈のりもの〉〈おやすみ〉〈昔話・民話〉〈ようかい〉〈断面〉といったカテゴリーで絵本が集められていた。

    その奥には作家別棚があり、壁面には日本作家の絵本や海外作家の絵本、読みもの、児童文庫、季節フェアの棚が順に並ぶ。

    「売場構成を考えるとき、ジャンルのバランスにはかなり気を遣いました。読みものは多すぎず少なすぎず、海外絵本よりも日本の絵本の比率を多めに……というふうに。毎日来てくれるお客様を退屈させないよう、平台は週1回程度のペースで全部変えています」

    ▼フロアマップ内装にはきめ細やかな配慮がたくさん見られる。

    通路はベビーカーが無理なく通れる幅。平台は子どもの目線に合わせてかなり低い。角にぶつかってケガをしないようにコーナーガードも付けられている。

    窓の近くには、子どもたちが靴を脱いで絵本を読めるスペース。

    緑豊かな周辺環境とも相まって、訪れた人の心を癒してくれるような居心地のよさがある。てんしん書房はそんな空間だ。

    1 2 3
    Pocket

  • GoogleAd:SP記事下




  • GoogleAd:007



  • ページの先頭に戻る