• 超絶の技を持つ切り絵作家・長屋明の実演販売も!『奇跡の切り絵』フェア開催中

    2018年01月26日
    本屋を歩く
    日貿出版社 川崎和美
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    わずか0.1mmの線に挑む、「奇跡」と呼ばれたテクニックを持つ切り絵作家の長屋明さん。2017年6月に刊行された『奇跡の切り絵』はその技術と独自の作品制作方法を初めて公開し、代表作「糸切り絵」シリーズをはじめとする作品60点以上を収録した初の書籍です。

    紀伊國屋書店玉川高島屋店では、2月4日(日)まで『奇跡の切り絵』フェアが開催されています。『奇跡の切り絵』に掲載されたものを含む約30点ほどの作品が展示され、会期中の4日間は長屋さんの実演販売も実施されます。

    フェア開催にあわせ、長屋さんの“超絶の技”や『奇跡の切り絵』ができるまでについて、編集を担当した日貿出版社・編集部の川崎和美さんに文章を寄せていただきました。

    奇跡の切り絵
    著者:長屋明
    発売日:2017年06月
    発行所:日貿出版社
    価格:2,160円(税込)
    ISBNコード:9784817082374

     

    「えっ、これが本当に切り絵!?」という驚きから生まれた本『奇跡の切り絵』

    「えっ、これが本当に切り絵!?」この本は、そんな驚きから生まれました。

    何気なくネット検索をしていた時、ふと見つけたサイトに、思わず目が釘付けに……。細い線で描かれたとしか思えないアルトサックスやギター、バイク、咲き乱れる花々や木の葉などが、実は「切り絵」だと知って驚嘆しました。

    いったいどんな人がこの作品を制作しているのだろうと興味を持ち、早速長屋明さんの東京事務所に連絡。実際に目にした作品の繊細なテクニックと高いアート性に圧倒され、作品と技法を1冊の本にまとめられないかと思い立ちました。当初、いわゆる「図案集」ではない切り絵の本が読者に受け入れてもらえるだろうかという心配もありましたが、刊行後は多くの方から「切り絵のイメージが変わった」「美しい作品を見るだけでも楽しい」という声をいただき、うれしく思っています。

    今回の本づくりで一番苦労したのが、作品の撮影です。あまりに繊細かつリアルな作品は、そのまま平面的に撮影すると、まるで絵のように見え、切り絵作品としての存在感が伝わりません。そこでこだわったのは、「影」と「立体感」。額装をはずした生の作品をいろいろな物の上に置く、立てる、吊す、手で持つ、背景から浮かせて影を出すなど、工夫を凝らしました。わずか0.1mmの細い線を切り出した作品は、額から出したとたん、かすかな空気の動きや静電気に反応して動き、今にも切れてしまうのではないかとヒヤヒヤしながらの撮影でした。

    中でも特にスリリング(笑)だったのは、青空をバックに撮った「書を切る〈夢〉」の1点。作品を長屋さんに持っていただいて、スタジオ屋上で撮影したのですが、すべての点画が糸のような細い線でつながっている作品は、ほんのわずかな風にも浮き上がったり、ねじれたり……。販売価格を知っている私としては、気が気ではありません。その時の会話です。

    カメラマン:うーん、あんまり風はないはずなんだけど、結構作品が動きますね。下の部分、もう少しこっちに向けられませんか?

    長屋:こうですか?

    ――あっ、風が出てきた。飛ばないように気をつけて!

    長屋:だいじょうぶ。これでどうかな?

    ――ちょっと! もっと丁寧に持ってくださいよ。切れたらどうするんですか!

    カメラマン:片手だと、どうしても文字がゆがみますね。両手でふわっと抱えるように持ちましょう。

    長屋:わかりました。もうちょっと上げますか?

    ――わっ、危ない! 飛ぶ飛ぶ!

    長屋:だいじょうぶですよ。じゃ、もう1回。

    ――もういいです! やめましょう。やめましょうって!!

    長屋さんの作品のすごさは、描写の細かさや線の細さだけではありません。従来の「切り絵」の概念を超えた発想や仕掛けの面白さが大きな魅力です。

    本書の掲載作品の中でも、手描きのラフなデッサンをダイナミックに切り出したJazzシリーズや、枯れ葉の葉脈を緻密に表現して「1日切り続けても1センチ四方しか進まなかった」という「木の葉の物語」、写楽の役者絵人物を題材にしたコラージュを1枚の紙から切り出して国際展でも高い評価を得た「写楽」などは必見。

    「できないだろうと言われると、やってみたくなる。切り絵には、まだチャレンジできることがある」と語る異色の切り絵作家の世界を、ぜひご覧ください。

     

    「奇蹟の切り絵フェア」詳細

    2018年2月4日(日)まで、紀伊國屋書店 玉川高島屋店にて開催
    所在地:東京都世田谷区玉川3-17-1 玉川高島屋ショッピングセンター南館5F(MAP
    ※営業時間 10:00~21:00
    ※最終日は18:00まで

    実演販売は下記の日程で開催されます。
    1月27日(土)・2月3日(土)・2月4日(日)
    ①12:00~13:00 ②15:00~16:00 ③17:00~18:00

    〉長屋明公式HP
    http://www.akira-nagaya.com/




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