100億あったら何したい?「夢の本屋」を語る企画会議【予算100億円で新しい本屋をつくる企画会議レポート】

2017年02月17日
本屋を歩く
ほんのひきだし編集部 浅野
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ある日、某大手出版取次会社より文禄堂高円寺店へ届いた一通のメール。
それは社の運命を担う、予算100億円をかけた“新しい本屋プロジェクト”へ知恵を貸して欲しい、という依頼であった……!

2016年11月14日(月)に文禄堂高円寺店で行われた「予算100億円で新しい本屋をつくる企画会議」。

当日は書店員4名をゲストに迎え、会場の参加者も交えながら「100億円あったら何がしたい?」「どんな店を作りたい?」と話し合い、さまざまなアイディアが飛び出しました。今回はその模様をお届けします(イベントの概要はこちら)。

 

ゲストは異なる経歴を持つ書店員4名

(※左から)粕川ゆきさん
1978年生まれ。お店もないし商品もないけれど、毎日どこかで開店している”エア本屋”「いか文庫」店主。
スポーツメーカーに勤務した後、ヴィレッジヴァンガードに転職し、その後2012年にSHIBUYA PUBLISHING & BOOKSELLERS(SPBS)へ入社し、同時期に「いか文庫」を始める。リアル書店員とエア本屋店主の二足のわらじ生活、5年目。

長谷川朗さん
1982年生まれ。ヴィレッジヴァンガード下北沢の次長、書籍担当。イベント、フェア企画なども行う。本を読むより映画を観る方が多い。個人活動として、イラストを描いて展示なども行う。

花田菜々子さん
1979年生まれ。2003年、ヴィレッジヴァンガードに入社。全国の店舗で店長を務めながら、新規店の書籍MD等を担当。2015年に退職し、2016年12月1日、日暮里に「パン屋の本屋」を開店した(イベント当時は開店準備中)。

北田博充さん
1984年生まれ。2006年、出版取次・大阪屋に入社。2013年、大阪屋関連会社のリーディングスタイルに出向し、本・雑貨・カフェの複合店であるマルノウチリーディングスタイルを立ち上げる。以降、solid & liquid MACHIDA、BOWL富士見、BOWL海老名でそれぞれ店長を務める。2016年4月に退職し、『これからの本屋』を刊行。

※司会・進行… 碇雪恵(日販 リノベーショングループ)

▼登壇者の皆さんが寄稿している『まだまだ知らない 夢の本屋ガイド』好評発売中です。

まだまだ知らない夢の本屋ガイド
著者:綾女欣伸 花田菜々子 北田博充
発売日:2016年11月
発行所:朝日出版社
価格:1,728円(税込)
ISBNコード:9784255009636

[日販MARCより]
車内を覗くと1号車がまるごと本屋。作家名も誰一人として検索に引っかからない。店内に小型の火力発電所を設置…。日本全国の架空のおもしろい本屋22店を、現役の書店員22名が文章で案内する。

 

 

読み進める前に:「100億円」をはかるためのものさし

・遊園地のアトラクションが作れる。
(参考:東京ディズニーランドの「モンスターズ・インク ライド&ゴーシーク!」建設費用が約100億円。なお東京ディズニーランドを作るのに最初にかかった費用は約1800億円)。

・東京都内の待機児童問題が解決できる。
(参考:小池百合子東京都知事が掲げる子育て支援の予算が、100億円程度)

・トランプタワーの家賃は月650万円。

 

100億円で:本屋をアトラクションにする

碇:今日はよろしくお願いします。100億円使ってどんな本屋をやりたいか、皆様よりアイディアをいただければと思います。

長谷川:漠然と「すごくお金かけたらできそう」と頭に浮かんだのは、VRですね。ヘッドマウントディスプレイをつけて、書店の中を歩く体験をするんです。例えば舞台を文禄堂にして、仮想現実で「店内を見て、本を買う」という行動をとると、次の日には実際に本が届くという。

碇:実際に代官山蔦屋書店では、車の試乗をVRでやっていましたしね。できそうです。

北田:僕は、もしVRを使うんだったら、昔自分がアルバイトしていた海文堂書店とか、札幌のくすみ書房とか、そういう「もう閉店してしまった書店」をVRで復活させたら面白いんじゃないかと思いますね。本当はそういうのあんまり好きじゃないんですけど、なくなったものを復活させることは最大の「夢」だと思うので。

長谷川:立ち読みもできるかもしれませんね。

花田:せっかくVRなので、読もうとして手に取ったらモンスターが出てきて、倒さないと読めないとか……。

碇:アトラクションですね(笑)。逆にリアル店舗じゃなくて、いか文庫みたいな“エア本屋”のリアル店舗的なものも作れそうじゃないですか?

粕川:それ、いいですね。

碇:VRなのか、ARなのか……そもそもARとVRって、どう違うんでしょう。

粕川:ARは「リアルの中に何かが加わる」という感覚で、自分がある空間の中に入るというより、自分が見ているリアルに何かが加わるんですよ。以前「AR三兄弟」の川田十夢さんとお仕事した時に、「本屋にARはすぐに導入できる」という話をしていたんです。例えば本にスマホをかざすと、本の上に書店員さんがパッと現れて「このページのここが面白いよ」と教えてくれたり。そういうのは、簡単にできるみたいですよ。

――(会場A)数百万円くらいでできますよ。

碇:そうなんだ! じゃあそれをやったとしても、まだ予算がありますね。何をしたらいいでしょう。

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