• 東京オリンピックの時、カレーはどういう存在であるべきか―「curry book project」vol.2レポート(前編)

    2016年12月03日
    本屋を歩く
    ほんのひきだし編集部 浅野
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    水野仁輔さんと敏腕編集者が「新しくて売れるカレー本」を考える!

    10月21日、文禄堂高円寺店にて「curry book project」第2弾が開催されました。「curry book project」は出張調理ユニット「東京カリ~番長」の調理主任で、カレーのレシピ集やガイド本も多数出版しているカレー研究家の水野仁輔さんが、出版社の敏腕編集者とタッグを組んで「新しくて・売れる」カレー本を作るための公開企画会議です。

    第2弾のゲストは『長生きしたけりゃふくらはぎをもみなさい』や『聞くだけで自律神経が整うCDブック』など、健康に関する数々のヒット作を世に送り出してきたアスコムの編集責任者・柿内尚文さん。今回の企画会議では、どんな「カレー本」の企画が飛び出すのでしょうか?

    第1弾のレポートはこちら(ゲスト:日経ビジネスオンライン 柳瀬博一さん)
    〈前編〉「カレーは好きだけど、本を買うほどは好きじゃない」新しくて売れるカレー本を作るには?
    〈後編〉おいしいカレーを作るという「手段」の先にあるもの

    ちなみに今回のイベントも、水野さんオリジナルのミニカレー付き。今回は「AIR SPICE」で提供されているエビカレーのスパイスセットにレッドチリパウダーを加えた、「エビとマッシュルームと茄子のカレー」です。じんわり辛くて体があったまる、おいしいカレーでした。

     

    「売れない」といわれるカレー本に、10万部のヒット作があった!

    水野仁輔(以下、水野)「curry book project」は、平たく言うと「いつまでたってもヒット本の出せない水野が、出版業界のヒットメーカーに教えを請う」という企画です。カレー本の世界をざっくり説明しておくと、ここ20年くらい、毎年10冊以上新しい本が刊行されているにもかかわらずヒット作がないという状態が続いています。水野調べではありますが、一番売れている本は10年前に私が出した『喝采!家カレー』。これが5万部くらいなので、ヒット作をたくさん手がけていらっしゃる編集者さんと一緒に、この「curry book project」で10万部以上売れるようなカレー本を作りたいと……

    柿内尚文(以下、柿内)ええ。

    水野:……思っていたんですけど、この間、10万部以上売れてるカレーの本、見つけちゃったんですよ。

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    柿内:えっ!?

    水野:「札幌カリ~番長」こと玉木雅人さんが編集長をされている、『カレー賛昧』という札幌のスープカレー店を紹介したガイドブックです。まあ「札幌カリ~番長」って、僕が勝手にそう呼んでいるだけなんですけど(笑)。『カレー賛昧』は2002年に初めて発売されて、それ以降2003年版、2004年版……と毎年1冊ずつ出していらっしゃるんですが、初めて発売された2002年の本が10万部売れたらしいんですよ。しかも一般的な流通ルートを通っていなくて、北海道内だけで売って10万部らしいんです。

    ※2011年まで毎年1冊ずつ発売され、2015年に4年ぶりの新刊が発売されました。

    水野:ちょうど札幌でスープカレーが流行っていた頃に発売されて、玉木さんご自身がスープカレーブームの火付け役でもあったので、「流行し始めていた頃に『カレー賛昧』が加速度をつけて、スープカレーの文化が育っていった」というふうに考えることもできるかと思います。札幌のスープカレー店を紹介した本なので道内で売れたというのは納得ですけど、もしこれがスープカレーの本じゃなくて北海道で10万部売れたとしたら、全国規模だと相当な売上になってますよね。

    柿内:北海道の売上シェアは全国の10%くらいじゃないかと思うので、単純計算だと10倍、100万部ですね。

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