過去の名作が再ブレイク!ナツイチならぬ「ツキイチ」って何だ?

2016年05月12日
本屋を歩く
日販 販売企画部 小野島
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「ナツイチ」じゃなくて、「ツキイチ」?

もはや夏の書店の風物詩となっている集英社文庫の「ナツイチ」ですが、夏の到来を前に、よく似た名前のフェアが巷でじわじわと話題になっています。

そのフェアの名前は「ツキイチ」。「え、『ツキイチ』? 『ナツイチ』じゃなくて?」……そうお思いの方も多いでしょう。それもそのはず、1994年から続いている「ナツイチ」に対し、「ツキイチ」は今年始まったばかりのまだ新しいフェアなのです。「ツキイチ」はまだまだ知名度は低いかもしれませんが、実はすでに全国の書店で続々展開されています。

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「ツキイチ」ってどんなフェア?

「ナツイチ」はご存知、集英社文庫の「夏の一冊 ナツイチ・キャンペーン」のこと。「じゃあ、この『ツキイチ』ってどんなフェアなの?」と思いますよね。これはざっくり言うと「過去の名作を毎月発掘する」というコンセプトのフェアです。毎月1つのテーマのもとに3作が選ばれ、その中からフェア参加書店がそれぞれに今月の当店イチオシ、すなわち「ツキイチ」作品を選んで展開しています。

読書好きな人には、「新刊に限らず、昔の作品でも面白いものなら何でも読みたい」という気持ちが必ずあると思います。そして「普通なら出合わなかったであろう本を見つける」ことは、何ものにも代えがたい喜びを与えてくれます。そんな読書体験をより多くの方に提供すべく企画されたのが、「ツキイチ」です。

 

「ツキイチ」にはどんなテーマがあるの?

3月にリリースされた第1期は「どんでん返し」がテーマ。『生きてるうちに、さよならを』(吉村達也/2007年10月刊行)、『弁護側の証人』(小泉喜美子/2009年4月刊行)、『腐葉土』(望月諒子/2013年4月刊行)の3冊の文庫が選ばれ、好調な売れ行きを記録しました。

 

「ツキイチ」第2期のテーマは「名作発掘!」 どんな本が選ばれているのか見てみよう

そして、気になる「ツキイチ」第2期のテーマはこちら。

第2期テーマ:名作発掘!

単純明快! だが、それがいい! それでは、「ツキイチ」第2期に選ばれた3作をご紹介します。

 

全国書店員の声を受け復刊された和製SFの最高峰『マイナス・ゼロ』

マイナス・ゼロ 改訂新版
著者:広瀬正
発売日:2008年07月
発行所:集英社
価格:832円(税込)
ISBNコード:9784087463248

〈あらすじ〉
1945年の東京。空襲のさなか、当時少年だった浜田は「先生」から「18年後の今日、ここに来てほしい」という奇妙な頼まれごとをした。そして約束の日、約束の場所で、浜田は「先生」が密かに開発したタイムマシンを目にする。時を超えて「昭和」の東京を旅する浜田が見たものとは……?

2008年の本屋大賞5周年記念イベント「この文庫を復刊せよ!」にて、全国の書店員からダントツで票を集めた『マイナス・ゼロ』。「日本人によって書かれたタイムスリップ小説の最高傑作」「この本が入手できないなんておかしい」「この作品が読めないこと自体が問題」という声を受け、同年に見事復刊を果たした作品です。

【オリオンノルテ】ツキイチ_マイナスゼロ

(協力:オリオン書房ノルテ店)

 

 小さな旅行会社が抱いた大きな夢の物語『臨3311に乗れ』

臨3311に乗れ
著者:城山三郎
発売日:1980年04月
発行所:集英社
価格:616円(税込)
ISBNコード:9784087503159

〈あらすじ〉
現・近畿日本ツーリストの前身「日本ツーリスト」。資本力も後援もないまま「先見性」と「“野武士的”勇断」で試練を克服し、国内屈指の旅行会社に育て上げた男たちの執念と情熱を描いた実録企業小説。

「近畿日本ツーリスト」は今や名を知らない者がいないほどの有名企業ですが、創業時はわずか5名の小さな会社でした。旅行業界に華やかなイメージを持っている方も、『臨3311に乗れ』を読めば血と汗にまみれた男たちの泥臭い仕事ぶりに舌を巻くはずです。

今回の「ツキイチ」フェアでは、近畿日本ツーリストの全面協力を得て特製パネルと特別映像を制作。見覚えのあるデザインは、旅行代理店でもらえる近畿日本ツーリストの「旅行パンフレット」がモチーフになっています。近畿日本ツーリストのFacebookページにて公開され、再生回数はなんと1万5,000回以上! 「小さな旅行会社が抱いた大きな夢の物語」をとくとご堪能ください。

 

最恐の読書体験が味わえる『柩の中の猫』

柩の中の猫
著者:小池真理子
発売日:2004年11月
発行所:集英社
価格:432円(税込)
ISBNコード:9784087477566

〈あらすじ〉
1955年、当時20歳だった雅代は北海道から上京し、美大で油絵を教える川久保悟郎の家に、娘・桃子の家庭教師として住み込みを始める。モダンな明るさに満ちたその家に母親の存在はなく、母親を亡くして傷ついた桃子は、飼い猫のララにだけ心を許していた。悟郎に恋心を抱きながらも、次第に桃子からの信頼を得ていく雅代。しかしその均衡は、悟郎の恋人の登場によって破られる……。20年の時を経て語られる、悲劇的な事件の真相とは。

昨今の猫ブームは巷で「ネコノミクス」と呼ばれるほどの経済効果をもたらしていますが、そんな可愛らしい猫ブームの真逆をいくのが『柩の中の猫』。恐ろしいのに読む手が止まらない、最悪の読後感なのに人に薦めたくなってしまう、クセのある作品です。「ツキイチ」をきっかけにまたこの本を買う人が増えると……、おや? これも「ネコノミクス」かも!

【オリオンルミネ】ツキイチ_ねこ

(協力:オリオン書房ルミネ立川店)

***

現在展開中の「ツキイチ」第2期は、以上のようなラインアップとなっています。「ツキイチ」フェアは全国1,800店舗の書店で開催中! どの書店がどの作品を「ツキイチ」作品に選んだのかは、行ってみてのお楽しみです。お近くの書店でフェアが行われていたら、ぜひ覗いてみてくださいね。

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